「今の状況下で大事にしたいこと」日本シュタイナー幼児教育協会より

当園が所属する日本シュタイナー幼児教育協会から、
この状況下での過ごし方、心構えについてのメッセージが出ました。
(千葉市長さんも共感できるとして、ツイッターでシェアされたましたが、
その後千葉市でシュタイナー教育を推奨しているのかというような誤解が生じる恐れから
残念ながら削除されたそうです。)

ちなみに、虹のこども園はいつも通りに保育を行っています。
色々と検討しましたが、小さな園ですし、お互いに気をつけあって、
いつもどおりの暮らしが続けられるように、としました。

新型コロナウイルスの現在の状況のもとでの保育、生活のために

ここ数日、新型コロナウイルスの感染防止のために、政府が臨時休校を申請したことにより、
皆さんの園でも今後の保育をどのようにするか、迷っておられるところもあると思います。
また保育所や学童保育は引き続き開所することになっており、集団生活の中で、
どのように感染防止対策を行なうかをいろいろと考えられておられることでしょう。
お子さんをお持ちのご家庭では、急にお子さんが家にいることになり、
長い休みをどのように過ごそうかと不安に思われているのではないでしょうか。
  
日本シュタイナー幼児教育協会では、
皆さんに大事にしていただきたいことをお伝えしたいと考えました。

* 感染防止対策については、たくさんの情報がありますが、
一番大切なことは免疫力を高めることです。
そのためにはまず、健全な生活リズムを維持しましょう。
園や学校が休みになると、寝る時間と起きる時間が遅くなり、
普段のリズムがすぐに崩れてしまいます。
朝起きる時間、食事、夜寝る時間に関しては、いつもの時間で生活していきましょう。
「休みだ」という状況は、心や体を緩ませます。
時にはそれが必要なこともありますが、今回のように、
急にそのような事態になった時には、「今日は何をするか」という目的も無いため、
1日中だらだらと過ごす日が続くことになります。
この状態では生き生きとした生命エネルギーを生み出すことは出来ず、
免疫力も落ちてしまいます。
まずは、ゆったりとした呼吸を感じる生活リズムを整えてあげてください。

* なるべく外出は控えるようにと言われていますが、
子どもたちが一日中屋内で過ごすことは不可能です。
結局、「静かに過ごせるならば」と、ゲームで遊んだり、
テレビやYouTubeを見たりすることを容認してしまうことになるのではないでしょうか。
これらは一度体験してしまうとなかなか離れられず、
日常が戻ってもやりたくなってしまいます。
幼ければ幼いほど「今だけね」という”特別”は理解できないことを覚えておいてください。
このような時にも、状況に流されるのではなく、
どう過ごさせたいかということを、まず考えてみましょう。

* 子どもたちには戸外で走り回ったりして身体を動かして遊ぶことはどんな時にも必要です。
感染を恐れて屋内で過ごすより、1~2時間でも
必ず戸外に出て遊ぶ時間を持った方が免疫力を高めます。
その場合、遊具のある公園よりも、
出来るだけ何もない野原や小さな林の中などをお勧めします。
滑り台やブランコなどの遊具があると、たくさんのものに触れてしまうことになります。
自然に触れて遊ぶことは、たくさんのファンタジーを引き出してくれますし、
植物が持っている豊かな生命エネルギーをもらうことができます。

* 帰宅したらすぐに手洗いとうがいをしましょう。
丁寧な手洗いやうがいを親子で一緒に行なって
身に付けることができるいい機会です。

* 室内で過ごす時には折り紙、あやとり、指あみ、機織り、
木片にやすりをかけて製作するなどの手を使う遊びをお勧めします。
小学生になるとトランプ、カルタ、オセロなどゲーム性のある遊びも
年齢に応じて取り入れられます。

* 食事を一緒に作ったり、掃除をしたりして
家事に積極的に参加させてあげましょう。
この機会に子ども部屋を片付けようと決めて、
不要品を選択して処分したり、
新年度に向けて新しい環境作りをしたりできるでしょう。

* 集団生活を続ける場合は、
園児や保育士の体調管理をいつもより徹底しましょう。
特にこの状況の中では、あらかじめ保護者の協力を得られるように依頼しておくとよいでしょう。
登園前の健康状態には特に気をつけて正しく報告してもらう、
発熱があった場合はすぐにお迎えに来てもらう、
解熱後も数日はお休みして様子を見てもらうなど、
働く親にとっては難しいことかもしれませんが、
このひと月は互いに協力し合って、
子どもたちや家族の健康を守りましょうと呼びかけてみましょう。
特に発熱した子どもに関しては病児保育室などの利用をお願いして、
無理な受け入れをしないようにしましょう。

* 保育士も体調が悪い場合は出勤しないようにする、
出勤したらすぐに手洗いをしてから保育に入るなどを心がけましょう。

* 一番無理をしてしまうのがお母さんたちです。
多少体調が悪くても家事をしたり、
必要な外出をしなければならない状況がたくさんあります。
子どもの一番そばにいる人が健康でいられることは、とても大事なことなので、
どうぞ、お母さんたちが無理をされないようにと願います。

たくさんの情報や噂がありますが、それには振り回されずに、
目の前にいる子どもを見て、今必要なことを察して、してあげることが一番大切です。
バランスを失わず、心穏やかにしていつものように過ごすことを、まずは大人の私たちが心がけましょう。

春が来れば、新しい気持ちのよい風が吹くことを信じて、過ごしましょう。

日本シュタイナー幼児教育協会のHPはこちらから

ABOUT

虹乃美稀子東仙台シュタイナー虹のこども園 園長
園長および幼稚園部担任他。
公立保育士として7年間保育所や児童相談所に勤務後、2000年に音楽発信ホーム「仙台ゆんた」を開き、アンプラグドのライブ企画など行う。
並行してシュタイナー幼児教育者養成コースに学び、南沢シュタイナー子ども園(東京都東久留米市)にて吉良創氏に師事。
08年仙台ゆんたに「虹のこども園」を開く。
民俗学とロックとにんじんを好む。1973年生まれ、射手座。

著書
『小さなおうちの12ヶ月』(河北新報出版センター)
『いちばん大事な「子育て」の順番』(青春出版社)