小さな声が聞こえるところ11「雪に思う」

新しい年が明けました。
「ひかりの部屋」の一角にある季節のテーブルには冬の王様が登場し、子どもたちの登園を待ち構えています。
仙台は東北地方の中では比較的降雪も少なく、冷え込みもさほどではなく、過ごしやすい気候とされていますが、それでも関東以南から転勤してきた方などは冬の寒さに驚き、雪かきしないと出かけられぬ朝があることに厳しさを感じると言います。

雪は子どもたちにとってはかっこうの遊びの友であり、ままごとの素材にもなれば、雪だるまや雪うさぎといった造形の素材にもなります。
たくさん積もれば、小さな園庭に坂を作ってそり遊びをしたり、かまくらを作ることもできます。
かまくらが作れるほどの降雪は毎年のことではありませんが、できた時には交代で中に入りながら、温めた甘酒を飲んだりして雪国気分を味わいます。

昨冬は雪がよく降り、毎週のお散歩もソリを引いて代わる代わる乗りながら出かけたりもしました。
仙台市内では、雪道をソリに乗って出かけるというのはとても珍しい光景です。

私が子どもだったとき、父親の転勤で青森市内に住んでいたことがありますが、その時幼稚園児だった6歳下の弟は、冬の間母にそりに乗せられて登園していました。
青森は大変雪深い土地で、春が来るまで道路は雪に深く閉ざされ、アスファルトが見えることはありません。
ですから今はどうかわかりませんが、当時母親たちは買い物をするにもソリをひき、子どもを自転車に乗せるようにソリに乗せて連れていたのでした。
当時もう小学5、6年生だった私はそんな弟を少々うらやましく見ていたのを覚えています。
しんしんと空から終わりなく降り続ける雪を見上げながらソリに乗っていた弟は、幼心にどんな世界を感じていたのでしょう。

子ども時代のそうした体験や土地の気候風土に根ざした記憶は、どこか身体の奥深くに刻まれていくようです。
雪が降り積もると「ソリに乗ってお散歩に行こう」と自然と思えてくるのです。
そんな日は、教師も全身スキーウエアに身を包み、近所の空き地の斜面に突如現れた「スキー場」で子どもたちと一緒にソリ遊びに興じます。
いい大人になっても、スキーウエアで近所を歩いてそり遊びができるなんて、幼稚園の先生って楽しい仕事だわ、なんて思いながら。

この冬はまだまとまった雪が降っていない仙台。
本格的な降雪が待ち遠しい、新しい年の始まりです。

(この連載は、毎月新月・満月に更新されます。次回は1/21満月の更新です。)

文・虹乃 美稀子(園長兼クラス担任)

仙台市保育士として7年間勤務後、シュタイナー幼児教育者養成コースに学ぶ
南沢シュタイナー子ども園にて吉良創氏に師事

06年 園の前身となるシュタイナー親子クラス開設
08年 「東仙台シュタイナー虹のこども園」開園 
仙台、東京、岩手にてシュタイナー講座を通年開催 

Facebook|東仙台シュタイナー虹のこども園
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