今年は秋がとても短かったような気がします。気づけばアドヴェント入り(クリスマスの季節)まであと10日。
朝起きたら真っ先にストーブを点ける季節となりました。セーターにマフラー、腹巻きなど、冬支度もして、あとは大好きな冬の季節を味わうばかりです。
さて、子どもたちの服装を見てみると、最近では年中似たような格好の子が増えました。マンションなどの集合住宅は冷暖房がよく効くので、あまり気温差を気にせずとも過ごせるのかもしれませんし、小さい子どもは汚れても洗いやすいものを用意して、夏も冬も似たような格好の方が手間がかかりにくいかもしれません。
でも、冬でも下着の下からおへそを出していたり、薄い長袖だけだったり、足首が出る短い靴下だけだったりという子どもの服装は保育者としてはちょっと心配です。
服は人間にとって「第二の皮膚」とも言えます。
そして触覚や熱感覚、視覚、運動感覚といった様々な感覚器官を正常にするための服装があります。
季節に対応した服装は、健康な「熱感覚」を育てます。
熱感覚とは、暑さ(熱さ)、寒さ(冷たさ)を感じる感覚ですが、この感覚を健康に育てることは、成長した時に自身の体調を整える感覚につながります。
四季にあった素材や形状はとても大事です。
特に「冷やさない」ということは子どもにとって大事なポイントで、下半身を温めて内臓器官を守るようにしたいものです。
秋になったら毛糸のベスト、ウールのレギンス、綿のズボン下などがおすすめです。素材は化繊を避けましょう。
冬になったら、セーターやコーデュロイ素材の服で暖かく身を守れるように。喉の弱い子は、絹のスカーフを首に巻いてあげます。
シュタイナー園で実習していた時、寒い服装をしている子どもにはウールの毛糸で編んだ手首を温めるものを貸していたのが印象的でした。
ウール(羊毛)は、よく湿度を吸収し、それでいて湿っぽくなりません。湿気を蒸発させますが、しかし気化熱を奪われて冷えることがないので断熱性が保たれるのです。
化繊のセーターや衣服は静電気で多動な子どもを一層落ち着かなくし、こうした断熱性はありませんので、感触ほど温かくないのです。

肌に触れた時のチクチクが気になるという感覚過敏な子どもには、より柔らかいウールがおすすめです。
本物の自然素材は購入する時は化繊のものより少し値が張りますが、結果的に長持ちしますし、健康な触覚やその他の感覚器官の育成には欠かせません。
服を大切にする、ということはとても良い教育的な手段にもなります。
心も体も暖かく包んでくれる衣服を身につけて、寒い季節も楽しみましょう!

次回は12月5日満月🌕の更新です。




