シュタイナー思想は日本では教育分野での実践が一番知られていますが、実はアントロポゾフィー(人智学)と呼ばれるその思想は、医学・農業・建築・銀行・芸術・社会論、、、と多岐にわたる分野で実践されています。
日本では医学においての実践現場はまだ少ないものの、いくつかの専門病院があり、そこでは日本の国家資格を持った医師・看護師が併せてアントロポゾフィー医療を学びその資格を取得して治療に当たっています。
以下は、一般社団法人日本アントロポゾフィー医学の医師会のHPからの引用です。
アントロポゾフィー医学とは
アントロポゾフィー医学は、ルドルフ・シュタイナー博士によって始められたアントロポゾフィーを基盤として、イタ・ヴェーグマン医師(1876~1943)の協力の下に創始されました。ドイツを中心に、現在では60以上の国々で実践され、20,000人以上の医師や8,000人近い各種療法家(芸術療法士、看護師、治療教育家など)が、この医療に携わっており、日本でも実践されています。
アントロポゾフィー医学では、人間を身体、心、精神の統合された全体性として捉え、各個人の生き生きとしたあり方を尊重します。
それは従来の医学を否定するものではなく、それらを補完しながらホリスティックなアプローチで拡張します。
私も今までに幾度かアントロポゾフィー医学の診療にお世話になってきました。
初めてその病院を訪れた時に、自分を丸ごと受け入れてもらえるような安心感を持ったことを覚えています。
(写真はどれも、お世話になっている横浜の医療法人山本記念会すみれヶ丘ひだまりクリニックです)
代替医療にありがちな西洋医学を否定する姿勢はなく、前述の引用にもあるようにそれらを補完しながら、正規の医師が「私」という存在の「体」と「心」、そして「霊的な領域」を視野に入れたホリスティックなアプローチを行ってくれるというのは画期的であり、決して丈夫とは言えなかった子ども時代を振り返りつつ、自分の体についてこうした視点で解き明かしてくれる存在をずっと求めていたことを思いました。
東北にはまだ、アントロポゾフィー医療の病院はありませんが、大震災の支援活動をきっかけに発足した「東北健康プロジェクト 小さないずみの会」という活動があります。
現在は会員制でアントロポゾフィー専門医による診察、認定看護師によるアインライブング、オイリュトミー療法士による芸術療法を実践しています。
アインライブングは、アントロポゾフィー医療における看護の一つで、植物などから取れた薬用のオイルを用いたリズミカルなマッサージです。これは会員外の方にも体験できる機会があります。
この小さないずみの会の活動が、この春より園の分室(ピリカ/泉区鶴が丘)で行われています。ご興味のある方はぜひ、下記の山田さんまでお問い合わせください。
【2023年後半のアインライブング体験会日程】
7月 8日(土)
9月16日(土)17日(日)
10月28日(土)29日(日)
11月25(土)26日(日)
また、小さな集いですが8月にこんなお話会も企画されています。
講師の小林啓子先生は、アントロポゾフィー協会の日本の支部の一つで私も所属している「コリスコ・グループ(医学と教育の共同作業)」の代表も務めておられ、温かで気さくなお人柄のとても信頼できる先生です。
シュタイナーのお医者さんとの小さなお話し会
アントロポゾフィー医療のお医者さんである、小林啓子先生とのお話し会にぜひおいで下さい。
日頃ちょっと気になっている子どもの成長のこと、子ども時代にかかる病気の意味、アントロポゾフィー医療と普通の医療との違い、特別なお薬やお手当のこと、小林先生にお聞きしてみましょう。小林啓子先生のご紹介
小児科専門医、「ひかりのつぼみ自由クリニック」院長
アントロポゾフィー医学認定医
親子相互交流認定セラピスト
アントロポゾフィー医学のための医師会副代表
学校法人シュタイナー学園校医
3人の子どもの母。日 時 2023年8月26日(土)10:00~11:30
場 所 ピリカ(シュタイナー虹のこども園分室)仙台市泉区鶴ヶ丘3-31-22
申込み 小さないずみの会(山田) yy816016あgmail.com 「あ」→「@」
* 8月20日までお申し込みください
参加費 1000円 当日お持ちください※託児はありませんが、お子さんを見守りながら参加していただけます。
日本におけるアントロポゾフィー医療は、まだまだ広く知られていませんが、それには広報活動に熱心になることよりも、誠実に患者さんと向き合い、仕事を重ねてこられている現場の方々の信頼できる姿勢があってのことと感じています。
ご関心ある方々にこうした情報がつながっていくことを望みます。
次回は7月18日新月の更新です。