小さな声が聞こえるところ143「小さなシュタイナー診察室」

 東北健康プロジェクト「小さないずみの会」という活動があります。
13年前の東日本大震災後、シュタイナー医療(アントロポゾフィー医療)に関わっている方々で結成された医療支援のボランティアグループです。

 この活動を立ち上げられた内科医の安達晴己先生は、私もシュタイナーの活動でたびたびご一緒させていただいています。とても気さくで優しく、いつも親身になってお話を聞いてくださいます。一般の病院での臨床経験も長い、ベテランの先生です。

安達先生を中心として、現在は医師2名、看護師4名、他薬剤師、オイリュトミー療法士の方々が、アントロポゾフィー医療の病院がまだない東北において、仙台を中心に年に数回活動されています。

昨年より、その活動〜おもに看護師による手当と医師による診療の会場に園の分室が使われています。そうです、園の分室はときどき、小さなシュタイナー病院の診察室になっているのです。

わたしも時々、ここでアインライブングというお手当を受けています。
アインライブングとは全身のオイルトリートメントです。医療としては治療のひとつとなりますが、健康な人にとっては深いリラクゼーションをもたらすものとなり、私は大好きです。1時間ほどの施術なのですが、いつもいつのまにか深い眠りにおちており、目が覚めると「ここはどこ、、、」という気分になるほど、遠いところで癒されてきた心地になります。

以下は、アントロポゾフィー看護協会のHPからの引用です。

リズミカルアインライブングとは

アントロポゾフィー医学を創始させたイタ・ヴェーグマン医師が考案し、マーガレット・ハウシュカ医師が発展させたもので、正式には「ヴェーグマン/ハウシュカによるリズミカルアインライブング」と呼ばれています。アインライブングという言葉は、ドイツ語で「さすりながら何かを内部に入れ込むこと」を意味します。
リズミカルアインライブングは、流れるようなリズムと軽さで、自然素材で作られたオイルや軟膏を個人個人に適した方法で塗布していきます。マッサージと異なり、身体に働きかける時、手で強く押したり揉んだりすることはありません。
ある時は問いかけるように、ある時は耳を傾けるように私たちの手は優しく体に触れていきます。それは音楽的でもあり色彩的でもあるように感じます。 やさしく心地よい覆いに包まれ、穏やかなリズミカルな動きと温かい共感的なタッチによって、バランスを崩しかけた心と身体に、調和をもたらすように手助けいたします。
私たちは、リズミカルアインライブングをアントロポゾフィー看護ケアの一部として位置づけています。

「小さないずみの会」は会員制です。約30名の会員がおり、医療従事者と会員が支え合う医療の共同体を目指しているそうです。
年3回の企画で、診療、アインライブング、オイリュトミー療法、その他、健康に関するオンライン講座や健康オイリュトミーの講座、おうちでできるお手当て講座、などを企画して活動されています。
震災以降息長く続く活動は、被災地であるこの地での親子の健康を長く支えており、私もまた診療やお手当を通してお世話になってきました。

この分室でアインライブングの施術をされている看護師さんは、元園の保護者さんです。震災の翌年に卒園したお子さんは、今年晴れて大学生になりました。
原発が爆発したあの年を共に過ごした子どもたちのことを、私は一生忘れることはないと思います。公園に散歩に行くときは、線量計を手に歩きました。仙台は比較的汚染が少なかった(とはいえチェルノブイリ原発事故時に、避難権利があるとされたウクライナのキーウ程度の汚染数値ではあったと聞く)けれども、滑り台の下など雨水が溜まって干上がったようなところは、線量計のアラームが鳴るところもありました。

こうした大きな不安のなかで、5年後、10年後も健やかであってほしいと手探りで保育や子育てを行なってきた私たちにとって「小さないずみの会」の活動は、生命にいきいきとした励ましを与えてくれるようなものであると感じます。

肉体のみならず、心、そして精神(スピリット、霊)の領域から人間全体を診ていこうというホリスティックな医療は、これからの時代を生きる私たちにとって欠かせぬものになっていくのだと思います。
その小さな芽を東北で守り育んでらっしゃる方々のご尽力に心より感謝します。

アインライブング体験のご案内〜会員外の方もご参加いただけます

【日程】時間10:00~16:00
① 5月12日(日)
② 6月16日(日)
③ 9月29日(日)
④10月10日(日)   
⑤ 11月17日(日)
⑥12月15日(日)   
⑦ 1月13日(月・祝)
⑧ 2月11日(月・祝)   
⑨ 2月16日(日)
⑩ 3月16日(日)

~変更や中止の場合があります~
場 所:ピリカ(シュタイナー虹のこども園分室)
施術代:一般の方5000円(2回目以降4000円)
(会員3000円/シュタイナー園・学校関係の方4000円)
持ち物:フラットシーツ1枚・バスタオル2枚・足拭きタオル1枚 
連絡先:yy816016⭐️gmail.com(yamada) ⭐️を@に変えてお送りください。

 

文・虹乃美稀子

「小さな声が聞こえるところ」は新月・満月の更新です。
次回は5月23日満月の更新です。

*********************


子どもにまつわるいろんなお悩み、赤ちゃんから中学生まで〜

【無料の「オンライン相談会」】第3回を開催します!

5/10(金)13:30〜14:30(録画の視聴可)
————
 
・0歳〜中学生に関するご相談
・子育て相談、保育や教育の現場での子どもに関する悩みのご相談
・匿名可
・視聴のみ可(録画映像は8/31まで)
 
 
締め切り:録画映像の視聴のみの場合、8月31日まで

ABOUT

虹乃美稀子東仙台シュタイナー虹のこども園 園長
園長および幼稚園部担任他。
公立保育士として7年間保育所や児童相談所に勤務後、2000年に音楽発信ホーム「仙台ゆんた」を開き、アンプラグドのライブ企画など行う。
並行してシュタイナー幼児教育者養成コースに学び、南沢シュタイナー子ども園(東京都東久留米市)にて吉良創氏に師事。
08年仙台ゆんたに「虹のこども園」を開く。
民俗学とロックとにんじんを好む。1973年生まれ、射手座。

著書
『小さなおうちの12ヶ月』(河北新報出版センター)
『いちばん大事な「子育て」の順番』(青春出版社)