昨日、卒園のつどいがありました。
今年度は、8名の子どもたちが卒園です。15名の園児の半数以上が巣立ちました。
例年、担任として卒園の一切が終わるまで気が抜けず、つどいの最中もたくさんの親御さんをお迎えしてつつがなく進行することに神経を払いますから、なかなか感傷に浸る余裕はありません。
全て終了しクタクタの体で教室を現状復帰した時に(大抵、翌日は親子クラスとか小学生クラスの修了お祝いと続きます)突然卒園児ロスとでも言いましょうか、喪失感に駆られる、、、そんなことを毎年繰り返している17年目の春です。
卒園のつどいの日の午後は、保護者会主催の謝恩会にお呼ばれするのが恒例です。
今年も園の近くのコミュニティセンターを会場に、とても温かな手作りの会を開いていただきました。
毎年、年少・年中児の保護者さんが中心となって準備をしています。
始まりの挨拶で担当のお母さんが「挨拶の代わりに詩を書きました!」と言って、高らかに読み上げてくれたのが、次の詩でした。
ありがとう会に寄せて作:虹のこども園保護者ちいさなおうちのようちえんちいさな ちいさな きみの手をしっかり握って ひらいた にじのとびらやさしいピンクのおへやろうそくのひかりおだやかで たしかなリズムあたたかなまなざしわすれていた いのりのことばてんしにまもられ きみは大きくなりきみの手がにじのとびらを あけるいってらっしゃいおかえりちいさなおうちは ちいさなきみのおうちいつくしむことをおしえてくれたみちびくことをおしえてくれたおかあさんになることの よろこびも おもさも おしえてくれたこの日をむかえて巣立っていくひかりを受けて巣立っていくきみとわたしありがとう ちいさなおうちのようちえんありがとう せんせい
とてもうれしく、そして力をもらいました。
詩の言葉は贈り物としてありがたいのはもちろんのこと、
それを読み上げたお母さんの「声」が、とても素晴らしかったのです。
それは、その人の「たましい=ハート」から出ている、そんな声でした。
詩の言葉たちが、実感と共に、その人のハートの真ん中から生まれ出ているのが感じられる、嘘や飾りのない声の響きは、それを聞いているこちらの心も洗われるようでした。
子どもの声にも近しい、その人そのものの声だと感じたのです。
声は、嘘をつけません。
声は、隠さずにいろいろなことを伝えます。
声を、大事にしていこう。
そして、声に耳を澄ますことをこれからも大切にしていこう。
まさにこの連載のタイトルの「小さな声が聞こえるところ」であり続けるために。
人工音声やAIのトークが当たり前になってしまっている今だからこそ、とても大切なことのように思います。
フェイクの声に騙されず、
ハートの声を、聞き分けられる耳を持っていられますように。
そして、自分もまた、自分の本当の声で本当のことを語ることを大事にしていけますように。
生まれた頃から見守ってきた卒園児たちの巣立ちは寂しくもありますが、大人もまた、死ぬまで成長を続けられることを、忘れずにいたいです。
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文・虹乃美稀子
「小さな声が聞こえるところ」は新月・満月の更新です。
次回は3月29日新月🌚の更新です。
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2025年3月16日(日)
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