小さな声が聞こえるところ165「クラウドファンディング終えて」

今年の春は、とりわけ多忙に過ぎました。
3/16までおよそ1ヶ月間のCF(クラウドファンディング)を終了し、卒園式とはるこいまつりを終えたらそのまま、CFのお話し会ツアーに出かけたからです。

CFでは、257人もの方々から目標額150万をはるかに超える217万2500円という多額のご支援をいただきました。改めてこの場でお礼申し上げます。

このプロジェクトで作成した動画も持って、3/22から31までの10日間神奈川、山梨、宮崎、熊本と全7ヶ所の会場でお話会を開催してまいりました。
(その間に迎えた29日の新月のこちらの連載は旅先で書く予定が叶わず、お休みしてしまいました!楽しみに待っていてくださった皆さん、ごめんなさい。)

旅先では、シュタイナー学校の保護者の方や逆にシュタイナー教育を知らない方々、フリースクールなどの活動をされている方、旅暮らしをしながらの子育てをされている方、保育士や学校の先生、その他子どもに関わるお仕事の方々等様々な方々にお話を聞いていただき、また意見交流の機会に恵まれました。

その中で特に印象的だったのは、今は都会でも地方でも変わらず子どもたちの健やかな育ちの環境を脅かしているものとして発達段階を鑑みない、早急なデジタル化、「スマートライフ」がもたらす身体性の喪失です。

身体と心は表裏一体。
今、心のバランスを崩す子どもたちが増えている中で、もう一度私たちは身体感覚を伴った暮らしを大切にしながら、子どもたちを育てていくことを大事にしなければと思います。
人生の中で、7歳になる前~乳歯のある時期は、「根っこ」を育てる時代です。
シュタイナー教育でよく着目される「歯の生え変わり」。この「歯」も、立派な「根っこ」をもっています。「乳歯」を捨て一生使う「永久歯」の根っこをそ作っている時期が、7歳までの乳幼児期です。

この時代にしっかりと身体性を育んでいくことは、「わたし」を育て成長したのちに「わたしらしく」生きようとする根っこの力を支えます。

多くの皆さんからのご支援をいただいたCFのエネルギーを糧に、その「生き抜く根っこ育て」のメッセージをより広げていきたいと心に誓った春の旅でした。

さあ、新年度が始まります!

文・虹乃美稀子

「小さな声が聞こえるところ」は新月・満月の更新です。
次回は4月28日新月🌚の更新です。

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ABOUT

虹乃美稀子東仙台シュタイナー虹のこども園 園長
園長および幼稚園部担任他。
公立保育士として7年間保育所や児童相談所に勤務後、2000年に音楽発信ホーム「仙台ゆんた」を開き、アンプラグドのライブ企画など行う。
並行してシュタイナー幼児教育者養成コースに学び、南沢シュタイナー子ども園(東京都東久留米市)にて吉良創氏に師事。
08年仙台ゆんたに「虹のこども園」を開く。
民俗学とロックとにんじんを好む。1973年生まれ、射手座。

著書
『小さなおうちの12ヶ月』(河北新報出版センター)
『いちばん大事な「子育て」の順番』(青春出版社)