一年でいちばん日が長くなる夏至。
かつての仙台の梅雨は肌寒い日が多く、この頃までストーブが片付けられなかったのですが、ここ2、3年は夏至の頃から30度前後の暑さとなり早々に冷房を頼ることが多くなりました。
気候変動を大きく実感しています。
さて、この時季に時折聞く親御さんからの相談で「子どもがいつもより早起きで困る」というものがあります。4時とか5時とか、まだ親御さんも眠っていたい時間に起き出してしまう、というものです。
経験値での話になりますが、どうも子どもというものは自然のリズムに沿って生きていると太陽の動きに呼応していくようで、つまり日の出が早まると子どもも一緒に目覚めが早まってしまうようです。
かつて電気のなかった時代には、大人も日の出と共に起き、日没とともに仕事を終えて早々と休む暮らしでしたから、自然なことかもしれませんね。子どもが早々と起きてしまう季節は、大人もまた自然のリズムに身を合わせるように早寝を心がけるとよいかもしれません。
夏の朝の気配は、とても気持ちが良いものです。
子供にとって、しっかり眠ることはとても大切です。
ところが、日本の子どもの睡眠時間は世界的に見てもいちばん短いのです。(大人も世界一短いのですが)
年齢別の推奨睡眠時間を大きく下回っているケースがほとんど。
例えば、3歳〜5歳の幼稚園年齢の子どもたちの推奨睡眠時間は11時間30分。
ということは、朝7時に起きているとしたら前日夜の7時半には寝かせていないと、必要な睡眠は足りていないのです。
〈出典・参考資料〉Gakken 「こそだてまっぷ」
データ提供:株式会社ブレインスリープ 睡眠偏差値 調査結果報告 2021Kids
眠っている間、人は体を作る無意識のエネルギーに生命力がすべて注がれています。神経系も内臓も、眠っている間に成長していくのです。
また、大人が睡眠不足の時にパフォーマンスがぐんと下がるのと同様、いやそれ以上に子どもたちは様々な悪影響が見られます。
情緒が安定せずすぐキレやすくなる、
ADHD(注意欠陥・多動性障害)のような症状が表れたりする、
遊びに没頭できずに不機嫌が続く、
やる気が起きない、など子どもの健やかな成長を阻害することがたくさん。
最近はSNSの広告の中にも、子ども用サプリメントで情緒の安定を図ろう、体の成長を促進させよう、などというものが散見されますが、本来子どもにはサプリメントは必要ありません。
当たり前の生活リズムを整えること、よく眠ることのほうがずっと大事!
そしてもちろん大人もですね。
よく眠って、今年も暑くなりそうな夏を乗り切りましょう。
(写真は最近飼い始めたヤモリくん/ヒョウモントカゲモドキです。)
文・虹乃美稀子
「小さな声が聞こえるところ」は新月・満月の更新です。
次回は7月11日🌕の更新です。
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下北沢のmahina pharmacyさんのプロデュースで作られた「優しい眠り」をテーマにした冊子です。文を虹乃が書き、絵はイラストレーターの大森木綿子さんが手がけています。今、4人に1人が睡眠障害を抱えていると言われます。眠りの間に、私たちの精神は星々の世界で地上での目覚めた時間を生きる活力を得ます。ベットのそばに置いてより良い眠りにつけるよう、シュタイナーのアントロポゾフィーの視点から、”眠りのためのイニシエーション” なども掲載しています。木綿子さんの優しい絵に導かれるように、読んでいるうちに安心して眠りにつくサポートになりますように。