7/1トークライブ「子どものスピリチュアリティの育て方〜こんな時代を健やかに生き抜くために」

小さな声が聞こえるところ95「私よ、ねむれ」

 仙台では、新学期に入ってからオミクロン株に感染したという話を、だいぶ近くで聞くようになりました。
なんとかゴールデンウィークに入るまでは感染から逃れられたものの、連休明けの週からなんとなく体調の優れない子が増えているなと感じていたら、あっという間にその週末から熱をあげる大人や子どもが増えて、私も陽性判定となりました。
コロナ下において3年目、虹のこども園もとうとう休園となりました。
 
 私は幸いにも熱も上げずに軽症だったのですが、それでも10日間の隔離を余儀なくされました。
こんなに誰とも会わず、どこにも出かけずに自宅で過ごすなんて人生初の体験です。
とはいえ、軽症といえども特に前半は体が辛くて身の回りのことをするのがやっとの日々。とにかくたくさん、たくさん眠りました。自分でも、驚くほどに。

11時間とか平気で眠っていられるので、自分でも私はとても眠りが必要だったんだと感じました。
弱った体の回復に睡眠を必要としているのはもちろんですが、それ以上に普段から睡眠が不足しているということを感じました。
といっても、極端に不足しているわけではなく、7時間半眠れれば体調は維持できると考えていました。
いわゆる、ノンレム睡眠とレム睡眠の1サイクルが90分と知って、睡眠単位を90分ごとに捉えた場合の自分にとっての理想時間でした。
6時間では短すぎるし、9時間では長すぎるだろう、と。
 
でも実は、睡眠の必要度は人によっても個人差が大きくて、例えばアメリカの調査になりますが、26歳〜64歳の大人の必要な睡眠時間は7~9時間、限界時間はそれぞれ最短6時間、最長10時間だそうです。
7時間半というのは、決して長めの睡眠ではないのですね。
毎日9時間眠ることを自分に許すとしたら、これは私にとって大きな改革です。
 
日本人は世界で一番睡眠時間が短いそうです。
しかも年代調査では40代の女性が一番睡眠時間が短いとのこと。
バブル時代に「24時間戦えますか〜♪」という栄養ドリンクのコマーシャルが流行りましたが、今において24時間戦っているのは、現代における子育て世代、働き盛り世代の女性たち、なのかもしれませんね。
 
 
 
 
しかし、これに乗じる様にして、日本の子どもたちの睡眠時間も世界でいちばん短くなっているそうです。
しかも、昼寝と夜の睡眠を足しても他国の子どもたちより少ないというのです。
これは心配なことです。

「寝る子は育つ」と言うように、子どもは眠っているときに成長ホルモンが分泌されます。「この子は夜が強くて、9時過ぎると目がランランとして興奮してくるんです」と話す親御さんもいますが、夜に強い子どもというのはいません。
入眠するタイミングを失って覚醒してしまい、その時間休んでいるはずだった肝臓がアクティブになってしまい、興奮してくるのです。

こうした子どもは夜更かししてはしゃぎますが、翌朝スッキリ目覚められず、午前中機嫌が悪かったり、遊びに集中できなかったり、食欲がなかったりしがちです。

この崩れた生活のサイクルを元に戻してあげないと、休んでその間に成長するべき内臓器官がうまく育たず、いつもどこか機嫌のすぐれない、癇癪を持ったりぐずったりしやすい姿を見せます。
 
電気のおかげで現代生活は昼夜の区別なく「明るさ」を手に入れ、その結果バイオリズムも崩しやすくなってしまいました。
その上、これだけデジタルデバイスが身近にあるようになり、多くの人が知らず知らずに「スマホ中毒」になっていたり「YouTube漬け」になったりしています。

睡眠は私たちの体を健康に保ってくれるばかりでなく、「自己肯定感」や「意欲」、「よい気分」といったメンタルの健康も保ってくれています。
生命力を十分に蓄えていけるよう、自分の睡眠をいたずらに削らぬようにし、ぐっすり眠って快活に生きることの大切さを子どもたちに伝えていきたいですね。
 
(この連載は毎月満月・新月の更新です。次回は6/14満月の更新です。)

ABOUT

虹乃美稀子東仙台シュタイナー虹のこども園 園長
公立保育士として7年間保育所や児童相談所に勤務後、シュタイナー幼児教育者養成コースに学ぶ。
南沢シュタイナー子ども園にて吉良創氏に師事。

2008年「東仙台シュタイナー虹のこども園」を開園。幼稚園部を中心に、未就園児親子クラスから小学生クラスまで、12年間にわたる子どもの成長を見守る草の根の教育機関として運営。
東京をはじめ、全国各地でシュタイナー講座・子育て講座を開催。

著書
『小さなおうちの12ヶ月』(河北新報出版センター)
『いちばん大事な「子育て」の順番』(青春出版社)