小さな声が聞こえるところ24「模倣力に応える暮らしの工夫」

小さな子どもは、周囲の模倣を通して大きくなっていきます。
立って歩けるようになると、お母さんが持っているものをなんでも欲しがったり、もう少し大きくなると日々のちょっとした家族の仕草を真似てまわりをほのぼのとさせてくれたり。
お母さんのやっていることを何でも真似したがって、急いでいる時にはそれがお邪魔にも感じられたりするでしょう。

でも、子どもたちは立って歩くこと、言葉を話すことといったことのみでなく、その暮らしの全てにおいて大人の言動のみでなく実はその心持ちまでもを、あたかもその周りの空気を当たり前に吸い込むようにして、その内に吸い込んでいきます。
ですから、小さな子どもと暮らす大人は、その全てが良くも悪くも「お手本」になっているのだと意識せざるを得ないのです。
子どものまねっこの機会を尊重したいとはいえ、小さな子どもと過ごす日常はやることがたくさんで、余裕のないことばかり。
だからといってすぐにテレビやモニターに子守を頼んではいけません。
子どもを不自然にじっとさせておくと、心とからだの発達を阻害します。
(モニターに釘付けの子どもは、微動だにしませんね。呼吸も浅くなっています。)

 例えばお料理を手伝いたがる時は、キャベツの葉一枚とボウルを渡して床でちぎらせてみましょう。ちぎるのもまだ難しい歩き始めたばかりのような子どもはどうしましょう。
お鍋と小さな泡立て器や計量スプーンなど、危なくないものをおもちゃ代わりに持たせておくと、お母さんとの一体感を台所で味わえます。
少しの間なら一人でもそうした「おもちゃ」に集中していることができます。
洗濯物を干す時も、いつも干す場所に子どもの高さでロープを一本渡しておいて
(ロープは決して危険でないところにしてください)
ハンカチ数枚と洗濯ばさみを用意しておけば、しばらくお手伝いをしている気分を味わいながらで遊べます。
ハンカチと洗濯ばさみは、いつも小さなカゴにでも入れておきましょう。
お母さんが洗濯物を干す時に、自分から「自分の洗濯カゴ」を取りに行くようになります。

子どもたちは、家族の一員として早く暮らしに「参加」したいと思っています。
それは、地球にやってきた新しいメンバーとして、早くみんなと一緒に平和な暮らしを営みたいという、全ての子どもが持つ本能的な欲求でもあります。
大切に育てましょう。

(この連載は、毎月新月・満月に更新されます。次回は8/1新月の更新です。)

  文・虹乃 美稀子(園長/担任)

仙台市の保育士として7年間保育所や児童相談所に勤務後、
シュタイナー幼児教育者養成コースに学ぶ
南沢シュタイナー子ども園にて吉良創氏に師事

06年 園の前身となるシュタイナー親子クラス開設
08年 「東仙台シュタイナー虹のこども園」開園 
仙台、東京、岩手にてシュタイナー講座、子育て講座などを通年開催 
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