小さな声が聞こえるところ197「子どもにとっての”大丈夫”とは」

 今年の仙台は長雨が続き、気温も上がらない涼しい日が続いているのですが、先の熊本地震の被災地では毎日厳しい暑さが続いていることを思うと、胸が痛みます。早く秋になってせめて涼しい風が吹いてほしいと思うばかりです。

さて、前回は災害時の子どもの心のケアについて書きました。
災害という非日常の中で、「だいじょうぶだよ」と繰り返し伝えることの大切さ、です。
深刻な事態であるほど、子どもは大人たちの表情や空気を察して不安を強めていきます。

ですから、どんなに大変な状況でも「だいじょうぶだよ」と伝えてあげられることは大事です。

では、そもそも子どもにとってだいじょうぶだと思える「安心」ってどういうことでしょう?

それはとてもシンプルで「だいじょうぶだよ」と言ってくれる
「大人がそばにいること」です。

そして子どもの感じていることを感じとった上で「だいじょうぶだよ」と言ってあげられるということです。

子どもは、自分ではまだ世界を変化させる力を持っていません。
世界のすべてを、いわば「受け身」で体験しています。

怖かった、
すごく嫌だった、
とってもさみしい、
悲しくてつらい、

そんなさまざまな感情も、まだじゅうぶんに言葉にならないまま混沌として内側に抱えています。

それらを表情や態度から汲み取ってくれて、
「だいじょうぶだよ」と言ってくれる大人がいれば、
子どもたちはどんな過酷な状況の中でも
「信頼すること」や「人間関係の温かさ」を育むことができるのです。

もちろん、不安や恐怖の大元を解決することは大人のたゆまぬ努力が必要です。
でも人間は古今東西、戦争や災害、事故や思いがけない苦難によって大変な状況に見舞われることがあります。

その時に、その場の状況はすぐには変わらなくても、子どもの心に寄り添って「だいじょうぶだよ」と言ってあげられるということは、子どもにとって何よりの「安心」であるのです。

大きな出来事だけではありません。

例えば、財布を落としてしまったとき、
車をぶつけてしまったとき、
夫婦喧嘩を子どもの前でしてしまったとき、、、

日常の中で大人自身も焦ったり、怒ったり、不安になったり、
感情を揺さぶられることは多々あります。

でもそんな時、そばに子どもがいたら決して忘れないでほしいのです。
あなたには「だいじょうぶ」と言ってあげなければいけない、
守られるべき存在がいることを。

(文・虹乃美稀子)

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「小さな声が聞こえるところ」は新月・満月の更新です。
次回は8月28日満月🌕の更新です。   

ABOUT

虹乃美稀子東仙台シュタイナー虹のこども園 園長
園長および幼稚園部担任他。
公立保育士として7年間保育所や児童相談所に勤務後、2000年に音楽発信ホーム「仙台ゆんた」を開き、アンプラグドのライブ企画など行う。
並行してシュタイナー幼児教育者養成コースに学び、南沢シュタイナー子ども園(東京都東久留米市)にて吉良創氏に師事。
08年仙台ゆんたに「虹のこども園」を開く。
民俗学とロックとにんじんを好む。1973年生まれ、射手座。

著書
『小さなおうちの12ヶ月』(河北新報出版センター)
『いちばん大事な「子育て」の順番』(青春出版社)