新しい年を迎えました。
元日に、まさかの大地震。被害にあわれた方々に、心よりお見舞い申し上げます。地理的に十分な支援を迅速に行うことが厳しい状況、地震に加えて津波と大火にも襲われた過酷な状況には、言葉もありません。ニュースを見るたびに、胸の潰れる重いです。13年前になる大震災も思い出さずにはいられません。
先週、オンライン無料相談会の第2回を行いました。
(こちらで視聴お申し込みできます)
そこでこんなご質問をいただきました。
「小1と小4の子どもがいます。
相談したいのは、悲しい、もしくは残酷なニュースを子どもたちにどこまで伝えるか、写真や映像としてどこまで見せてよいものか、ということです。
年初の震災や事故、そして一昨年来より続くウクライナやパレスチナの戦争など、心を痛めるニュースに触れたとき、子どもにどこまで伝えるか、見せるか、ということに悩みます。先日の地震ではテレビで大津波警報が出たことを知ると画面を見つめていました。
小学生なので、少しずつ、世界で起きている問題や課題についても触れていくことは必要ですし、災害についても備えをしていくことを学ぶことは大事と思いつつ、人間の残酷さや非情な面、また、大人でも受け止めきれないような大災害の様子を見せることは、子どもの心に常に不安を宿すことにならないかとも思い、線引きに迷います。」
きっと、子育て中の多くの親御さんが同じような思いを抱えてらっしゃると思います。
小学生にもなれば、少しずつ社会への関心も自ずと芽生えていくでしょう。
それはとても大切なことです。ただ、情報化社会の現代においては、悲惨なニュースが詳細にわたってくり返し流れたり、テレビやスマホ、病院やお店のスクリーンなど様々な媒体を通して、過剰に伝わりがちです。
ショッキングなニュースに繰り返し触れることによって、大人でも無力感や虚無感を感じてしまうことがあります。天災だけでなく、戦争や紛争の痛ましい状況も続く今の状況は、特にそういった恐れがあります。
無力感や虚無感に襲われると、次第にそうしたニュースが「他人事」のように自分の中を流れていってしまうようになります。
人は自分にどうしようもできないことが立て続けに起きていくと、次第に心を閉ざしてしまうのです。
子どもは大人以上に、まだ社会に直接働きかける力は持っていません。
自分自身が具体的に対処できない大きな出来事がありすぎると、子ども時代に育みたい基本的な世界への信頼感を培えずに、常に漠とした不安感や無力感を抱えてしまいます。特にそれが遠くの「情報」であればあるほど、自分の感覚体験から遠いところで起こるだけに、不安が増大しがちです。
小学生でも、こうしたニュースを見るときにひとりぼっちにさせないようにしましょう。大人はただ一緒に驚くだけではなく、過酷な状況であっても、その背後で一生懸命救援、支援に働いている人たちがいることを具体的に伝えていってあげることも大切です。どんな大変な状況にあっても、人間の思いやりや優しさという愛の発動は至る所で行われているのだということも、同時に伝えていってほしいのです。
そしてもう一つ、こうした時に昔話や絵本、児童文学などの「ファンタジー」は、こうした時に弱まりがちな私たちの心に生命力を与えてくれます。
ファンタジーの中で語られる世界の不思議や奇跡は、時に現実を支え、乗り越える力を与えてくれます。
また、直接身近な大人が語ってくれる昔話や、自分でページをめくる紙の感覚は、デジタルにはない、心と体の感覚を一致させてくれる働きがあり、形のない情報に影響を受けすぎた心を癒してくれるのです。
そこからもらう力をもとに、私たちは困難な時代においても、より良い世界を創っていこうという希望と意志を培っていくことができるのです。
文・虹乃美稀子
「小さな声が聞こえるところ」は新月・満月の更新です。
次回は1月26日満月の更新です。
子どものスピリチュアリティの育て方 実践後編
「大人が子どもに関わるということ」
コミュニケーション実践編が始まります。全回録画視聴可能です。
第2回では、昔話や絵本などのファンタジーについてのお話も。
3/31までお申し込み可能です。