小さな声が聞こえるところ166「楽しみなお当番」

 幼稚園部では「お当番」のお仕事があります。
みんなのためのお仕事をする係を、日替わりで担います。

お当番は、羊毛で作ったお花のバッジを胸につけます。
昨年度は年長児が8名と多かったので年長児だけが対象でしたが、今年度は人数も減ったので、年中・年長児全員で回しています。
どの子も憧れのお当番がとうとう自分にも回ってくるということで、とても張り切っています。

お当番の仕事はたとえば、
・おやつと食事の前にテーブルを拭く
・「いただきます」のお歌の時に使うグロッケン(小さな鉄琴)を運ぶ
・掃除の時にほうきをかける

などです。
加えていま時期は、進級のつどいの時に植えた稲の籾種の鉢への水やりも行います。

ふだん、お手伝いを自分からはやりたがらない子どもも、お当番となると張り切ってやろうとするのは面白いですね。
胸にバッジがつくと、誇らしげに顔が輝きます。
年長さんは、バッジについた安全ピンを自分で服に付け外しができるようになるのも喜びです。小学生が胸に名札をつけているような気分になるようです。

「みんなのために仕事をする」ということは、大きくなった時に発揮されるべき社会性の大事な源です。
自分のために、ではなく、みんなのために。
喜んで働く姿を見ながら、大人の私たちもこうありたいなと思います。

文・虹乃美稀子

「小さな声が聞こえるところ」は新月・満月の更新です。
次回は5月13日満月🌕の更新です。

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ABOUT

虹乃美稀子東仙台シュタイナー虹のこども園 園長
園長および幼稚園部担任他。
公立保育士として7年間保育所や児童相談所に勤務後、2000年に音楽発信ホーム「仙台ゆんた」を開き、アンプラグドのライブ企画など行う。
並行してシュタイナー幼児教育者養成コースに学び、南沢シュタイナー子ども園(東京都東久留米市)にて吉良創氏に師事。
08年仙台ゆんたに「虹のこども園」を開く。
民俗学とロックとにんじんを好む。1973年生まれ、射手座。

著書
『小さなおうちの12ヶ月』(河北新報出版センター)
『いちばん大事な「子育て」の順番』(青春出版社)