小さな声が聞こえるところ67「季節外れのお年玉のお話」

 この春休みは、用務員係の大工さんが園庭のウッドデッキを小屋に改造するべくずっと働いてくださっていました。この文章が公開される12日の新月は、園の新学期が始まる日。その頃までには園庭に、素敵な小屋が出来上がっていることでしょう。

さて、そんな大工さんからお茶休憩の時に面白い話を伺いました。
彼は旅をしながら大工仕事を請け負う一風変わった”寅さん”のような大工さんですが、地元の中学時代からの友人たちともずっと付き合いがあります。その中でも一番身近な友人の4人の息子たちには、決して余裕のあるお財布ではないのに(失礼)、毎年正月に子どもたちにお年玉をあげているそうです。

 

そのお年玉の額は「学年の数で決めているんです」といいます。

つまり小学1年生は千円、2年生なら2千円、3年生なら3千円、、、といった具合です。6年生になったら6千円になるわけですから、結構な額になりますね。お正月の間にはお金を用立てできず、だいぶ待ってもらうこともあるそうですが、季節を過ぎてからでも必ずあげるそうです。

さて、いよいよ中学生になったら、いくらもらえるのでしょうか。
7千円かな?と思いがちですが「学年の数で決める」というルールによるので、中学1年生は1年生だから千円に戻るのだそうです! なんだか、痛快です。

そのほかにも、例えば3人きょうだいなら5千円をあみだくじで分けて取らせたりもするそうです。それも5百円、千円、3千5百円、なんて分け方をしたりして。

いろんな「分け方」や「配り方」がありますが、こんな決め方もあるのですね。とても新鮮に感じました。つい年長になる程高くなるのが当たり前に思ってしまいがちですが、良し悪しではなく、子どもたちも時にこんな風にお年玉をもらうことがあったら、お金への意識や概念といったものの感じ方も自由度が増すのかもしれないなとふと思いました。

ちなみに私はお正月は千円ばかりをポチ袋に入れて、出会った子どもに年齢関わらず配るタイプでした。シンプルスタイルですね。笑

さて、いよいよ今日から新学期。今年の虹のこども園は68名の在籍(予科・本科・専科全ての会員を含む)でのスタートです。いつの間にか、こんなに大きくなりました。
この写真は、園の横につながる駐車場から見えるしだれ桜です。私はこの駐車場にかつて建っていた産婦人科病院で生まれました。私が生まれる前から咲いていた桜もまた、いつの間にかこんなに大きくなっています。

(この連載は毎月満月・新月の更新です。次回は4/27満月の更新です。)

ABOUT

虹乃美稀子東仙台シュタイナー虹のこども園 園長
園長および幼稚園部担任他。
公立保育士として7年間保育所や児童相談所に勤務後、2000年に音楽発信ホーム「仙台ゆんた」を開き、アンプラグドのライブ企画など行う。
並行してシュタイナー幼児教育者養成コースに学び、南沢シュタイナー子ども園(東京都東久留米市)にて吉良創氏に師事。
08年仙台ゆんたに「虹のこども園」を開く。
民俗学とロックとにんじんを好む。1973年生まれ、射手座。

著書
『小さなおうちの12ヶ月』(河北新報出版センター)
『いちばん大事な「子育て」の順番』(青春出版社)