小さな声が聞こえるところ76「今、生命力を高めるために大事な3つのこと」

 
 夏も終わりに近づいてきました。
この夏は日本中にコロナウイルスの様々な変異型の感染が広がり、非常事態の長期化に伴う疲れが心にも体にも知らず知らずたまってきますね。
子どもたちには「なるたけいつも通りの安心した暮らし」をさせてあげたいと思いながら、そうもいかない状況が長引いています。
今日は「生命力を守り育む」ために大切な具体的な3つのことを改めて挙げたいと思います。  

1 まずは、自分を取り戻しましょう

大人たちが、落ち着いて子どもたちのことを考えることができるように、自分を自分自身の真ん中に取り戻すことが大切です。
様々な情報が飛び交い、なんだか良く分からなくなってしまいそうな状況の中で、自分がしっかりと安定していないと、右往左往し、健康的な判断力を失ってしまいます。
不安や疑いといったような感情の領域が揺れると、思考の領域もグラグラに。

東日本大震災と原発事故の時もそうでしたが、こんな時こそ自分の土台=根っこの力を強めることが必要です。
生き抜こうとする根っこの力、それは意志の力です。
生きる根っこの力が脅かされる時、まずは自分の根っこをもう一つ深く地中に這い延ばすようなイメージを持ってみましょう。

例えば、散歩に行く、運動して汗をかく、お風呂にゆっくり入る、セルフマッサージをする、
掃除、洗濯、庭仕事などの家事を丁寧にする、栄養のある料理を作る、
こういったことを普段より意識的に行ってみることは効果的です。

これらはシュタイナーの12感覚論でいう、人間の根っこを支える以下の四つの大事な下位感覚を強めてくれます。

【触覚】触覚の器官である皮膚を通して、外の世界と内の世界を感じ、同時に自分と世界の境界線も感じアイデンティティーを養う。

【生命感覚】自分の体が疲れているのか、喉が渇いているのかなど、体の調子を感じる。

【運動感覚】自分の体が動いているのか、止まっているのかを感じる感覚、意図を実現する。

【平衡感覚】体のバランスを保つとともに「私はいつどこにいようとも、常に一人の同一の人間である」という自我の中心を感じる。

2 免疫力を高めましょう

同じ人でも体調によって、感染・発症・悪化する条件は違ってくるでしょう。
そのためにも、子どもも大人も「免疫力を高める」ことをより意識していきましょう。

一番大事なことは、心地よい生活リズムを維持することです。
早寝早起きは、それだけで心身の免疫をぐんと強めてくれます。

生き生きとした生命エネルギーが生み出せるよう、大人も子どももスクリーンを見つめる時間を減らしましょう。
特に幼い子どもほど、スクリーンを見て時間を過ごすことを知ってしまうと離れがたくなり、自ら遊びを生み出す力を失ってしまいます。
スクリーンに子守りを頼らない時間を過ごせるようにしましょう。

子どもにとっての外遊びは必要不可欠で、不要不急のことでは決してありません。
どんな時にでも、子どもは太陽の光を浴びて、風を感じながら、土に触れて遊ぶことが大事です。
自然に触れて遊ぶことは、たくさんのファンタジーを引き出してくれます。それはそのまま生命力の活性化につながります。
自然界の植物が持っている豊かな生命エネルギーをもらうこともできます。
大人も一緒に元気になりましょう。

3 いっぱい抱きしめ、抱き合いましょう

「ソーシャルディスタンス」」という言葉が当たり前となってしまいましたが、本来人間は人とのつながりの中でエネルギーを循環し、触れ合うことで免疫力を高め、生命力を強めていきます。
特に小さな子どもたちほど、触覚を通したふれあいがとても大切です。
そして、大人だって、大切です。

社会的に人との接触を避けなければいけない分、家族や普段ともに行動している人たちとのふれあいを、意識的に大事にしてみましょう。
起きた時、眠る時、優しくハグすること。
手遊びや指遊びを通して、手指に意識的に触れること。
背中に文字や絵を描いて何を描いたか当てっこする遊びは、どんな世代でも楽しめるスキンシップ遊びで、園に通う子どもたちは幼児から小学生までみんな大好きです。
子どもも大人も、体温から人間の温かさや愛を感じることが、今こそとても必要です。

実はこの3つは、普段から大事にしたいことであり、7歳までの子どもが健やかに人生の土台を育むために大事なことです。
当たり前の基本のことほど、非常事態には忘れられがちになってしまいます。
当たり前のことを大事にすることを、今だからこそ大事にしていきたいですね。

(この連載は毎月満月・新月の更新です。次回は9/7新月の更新です。)


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ABOUT

虹乃美稀子東仙台シュタイナー虹のこども園 園長
公立保育士として7年間保育所や児童相談所に勤務後、シュタイナー幼児教育者養成コースに学ぶ。
南沢シュタイナー子ども園にて吉良創氏に師事。

2008年「東仙台シュタイナー虹のこども園」を開園。幼稚園部を中心に、未就園児親子クラスから小学生クラスまで、12年間にわたる子どもの成長を見守る草の根の教育機関として運営。
東京をはじめ、全国各地でシュタイナー講座・子育て講座を開催。

著書
『小さなおうちの12ヶ月』(河北新報出版センター)
『いちばん大事な「子育て」の順番』(青春出版社)