小さな声が聞こえるところ161「今年の節分は2日です」

 このエッセイを投稿した本日新月は、旧暦元旦の朔日です。
改めまして「あけましておめでとうございます」。

戦後になるまでは日本も旧暦の月のリズムで暮らしていました。私の母の実家は古い農家なので、戦後も昭和30年代までは正月を旧暦で祝っていたそうです。
今でも、月のリズムの暦の方が、身体感覚にしっくりくる、という方もいらっしゃるかもしれませんね。

さて、この旧暦正月が過ぎてほどなくやってくるのは節分です。
園でも「豆まき会」をして節分の鬼を追い払います。その節分は2月3日と思い込んでいる方は多いのではないでしょうか。
実は私もそのひとりでした。2021年に「突然」のように節分が2月2日になっていて、とても驚きました。

節分は、立春の前日と決まっています。
立春は、「二十四節気」という地球から見た1年間の太陽の通り道を24等分した季節表現のひとつの節目です。
太陽が15度進むごとに次の季節が訪れ、約1年で太陽は元の位置に戻ります。
しかし、厳密にいうと1年と6時間弱かかるそう。
それで、二十四節気と暦のずれを調整するために閏年が設けられていますが、それでも調整は完全ではなく、わずかなずれが重なると立春もずれてくるのだそうです。

園のお誕生日季節の時計

ちなみに、前回2日なったのは2021年ですが、その前に節分の日が動いたのは37年前の昭和59年(1984)だったそうですから、すっかり節分は2月3日と思い込んでいた私は驚きました。

今後はしばらくの間、4年おきに2月2日が節分になります。
間違えないように気をつけなきゃ、とカレンダーを見ています。

ちなみに私の母の誕生日は2月3日。
「年の暮れのどんづまりに生まれたのよ」という言葉は、子どもの頃は「?」でしたが、一昔前は旧暦とともに、立春を一年の新たな始まりとして迎える感覚があったようです。
立春を正月として祝う地域もあったということですから、節分を「年の暮れ」というのは自然な感覚だったのかもしれませんね。

残念ながら今年の節分は日曜日なので、月曜の立春に子どもたちと急いで豆まきして鬼祓いをしたいと思います。

新暦の正月にいろいろ整えられなかったあれこれは、旧暦正月と立春の節目で整えていけるといいですね。

文・虹乃美稀子

「小さな声が聞こえるところ」は新月・満月の更新です。
次回は2月12日満月🌕の更新です。

ABOUT

虹乃美稀子東仙台シュタイナー虹のこども園 園長
園長および幼稚園部担任他。
公立保育士として7年間保育所や児童相談所に勤務後、2000年に音楽発信ホーム「仙台ゆんた」を開き、アンプラグドのライブ企画など行う。
並行してシュタイナー幼児教育者養成コースに学び、南沢シュタイナー子ども園(東京都東久留米市)にて吉良創氏に師事。
08年仙台ゆんたに「虹のこども園」を開く。
民俗学とロックとにんじんを好む。1973年生まれ、射手座。

著書
『小さなおうちの12ヶ月』(河北新報出版センター)
『いちばん大事な「子育て」の順番』(青春出版社)