小さな声が聞こえるところ189「19年目の新学期」

 今週は、入園のつどいがありました。
2008年の開園から数えて、19回目の春です。
個人で営む小さな園が、大きな事故も怪我もなく、ここまで歩んでこれたことへの感謝でいっぱいです。

ここまでには震災や原発事故、コロナの流行などさまざまな社会的困難もあり、その度に虹のこども園なりの判断を迫られ、結果的にそれが園の精神的な成長を促されたとも思います。

特に2020年から2022年の3年間のコロナ禍は、社会のあり方そのものを変えてしまうほどの大きな影響をもたらし、それは子育ての意識や状況も大いに変化させたと感じています。
それに伴い、幼児教育無償化も浸透するにつれ共働きが当たり前となり、子供を産んだら「保活(保育園探しの活動)」をする、ということがデフォルトの状況となりました。

小さな頃から保育園に預けるのが当たり前になったので、若いお母さんから「幼稚園て何ですか?」と聞かれたりもするようになりました。
私が保育の仕事に就いた30年以上前を思うと、隔世の感を覚えます。

コロナ禍で親子クラスをお休みにしたり、さまざまな活動が制限されたり、またそうして保育園に早々と入るお子さんが増えたことによって、数年前までは5クラスほど常に満員だった未就園児親子クラスもすっかり減り、幼稚園部に入るお子さんの数も減ってきました。

長年の助手を務めてくださった方が退職されたこともあり、昨年は園児募集の広報もあえてせずに、今の時代の流れと園の運営力を見極めながら静観する時期をしばらく過ごしていました。

そうしたところ、ぽつり、ぽつりと入園希望のお子さんが集まって来られて、中にはわざわざ遠くから入園のために仙台にお引越しされてきた方もあったりして、この春は思いがけず4名のお子さんをお迎えしての春を迎えることができました。

入園に強い意志を持ったご家庭の皆さんとの出会い(再会も)は、園としても心強くとても励まされる気持ちです。

そして新年度の保育が始まったのですが、何でしょう、継続児のお子さん方も含めて、何か新しい世代のような子どもたちという印象を受けています。
とても細やかで、クリアな感覚を持って世界を見ているように感じます。

コロナ禍を経て、世界が否が応でも変化せざるを得ない時代に、勇気ととも生まれてきた子どもたち。
そして、日本の、東北の、この小さな小さな虹のこども園を選んでやってきてくれた子どもたち。

ようこそ!来てくれてありがとう!と心の中で語りかけながら、毎日お帰りのご挨拶のあとに抱きしめています。

これからの保育の日々が楽しみでなりません。
何十年やっても、こんなに新鮮な気持ちでいられる保育の仕事は、ありがたい仕事だなと思います。
虹のこども園の7年周期も第3周目の仕上げに近づいてきました。
「成人」まであと3年。
虹のこども園らしい「自我」の力を育んでいる最中です。
今年の保育の取り組みも、面白くなりそうです。


(文・虹乃美稀子)

「小さな声が聞こえるところ」は新月・満月の更新です。
次回は5月2日満月🌕の更新です。   
 

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ABOUT

虹乃美稀子東仙台シュタイナー虹のこども園 園長
園長および幼稚園部担任他。
公立保育士として7年間保育所や児童相談所に勤務後、2000年に音楽発信ホーム「仙台ゆんた」を開き、アンプラグドのライブ企画など行う。
並行してシュタイナー幼児教育者養成コースに学び、南沢シュタイナー子ども園(東京都東久留米市)にて吉良創氏に師事。
08年仙台ゆんたに「虹のこども園」を開く。
民俗学とロックとにんじんを好む。1973年生まれ、射手座。

著書
『小さなおうちの12ヶ月』(河北新報出版センター)
『いちばん大事な「子育て」の順番』(青春出版社)