春休みに、下北沢のmahinaphahrmacyさんで、バイオダイナミック農業者であるハイランドレメディーズの竹脇献さんとの対談ワークショップがありました。
イギリスのいちばん大きなシュタイナーコミュニティ、マイケルフォールは私も視察に行ったことがありますが、そこのバイオダイナミック農園で8年従事されてきた竹脇さんは、現在長野の上田市菅平高原でおひとりですべての作物を造られながら、カレンドゥラとアルニカを中心としたレメディーを作られています。
また、近頃ではワイン・ブームの中でひときわ上質のワインとしてBD農場で作られたワインが、ワイン通の方々の間でも知られているようです。
確かに「タンポポの花を牛の腸間膜で包んだものを越冬させる」「牛や馬の頭蓋骨にオークの樹皮を砕いて詰める」といった調剤方法は、どこか古臭い因習を想起させるかもしれません。
私もシュタイナー教育を学び始めた時にこうした情報に触れた時には、なんだかあまり親しみは持てない心地がして、距離を置いて見ていたことも確かです。
しかし、だんだんとこうしたことはシュタイナーが若い頃からゲーテの研究者の第一人者としてゲーテの植物観察法などを徹底的に深めていく中で、「植物の生長には宇宙全体が関係を持っている」ことを導き出した過程の中で生まれてきたものであると理解するようになりました。
竹脇さんも今回の対談の中で、BD農法の特徴として、
早速、阿蘇で長らくBD農法を実践されているぽっこわぱ耕文舎さんから毎年発行されている「種まきカレンダー2023」を求めました。
このカレンダーには、BD農法の基本的な理解についても書いてありますのでおすすめです。
春、種まきの季節。
園で毎年種を繋いでいるホピコーンや麦、豆などをこの暦に従って蒔いてみることにします。
また、生ごみをせっせと堆肥化しているうちに増えて困ってしまった線虫の駆除には、カレンドゥラが良いと聞き、今年は畑の大部分はカレンドゥラを蒔いて野菜作りはお休みしようかとも考えています。
竹脇さんがおっしゃっていたBD農法を実践される中で「効率を考えると、悪くなる」という言葉が、心に残っています。今は「コスパ(コスト・パフォーマンス)」とか「タイパ(タイム・パフォーマンス)」といった言葉がもてはやされ、何かと「効率」の問われる世の中ですが、生き物は本来、植物も動物も人間も、そうした「効率」とはいわば対極にある存在のように思います。長年保育の中で、子育てに「効率」を用いることはあり得ないと実感として感じるのですが、農業でも本質的には同じなのだと感じました。
できることから、少しずつ。
(園長 虹乃美稀子)
次回は5月6日満月の更新です。
山上亮×虹乃美稀子 「人育ての思想〜困難な時代を生き抜くために大切なこと」
詳細とお申し込みはこちらから https://peatix.com/event/3513220